フロイドと五月病

実体のないゴールデンウィークが過ぎ去って、今日は良い天気。やはり四月というのはいくつになってもはりきっちゃうものらしくて、月が変わった瞬間反動でベッドから動けなくなって数日間過ごしました。みんなは何して過ごしたの?楽しいことはあったかしら。筆不精なところがあって、メールで雑談、みたいなことがどうにもできず。近況も聞かないし、世間がどんな空気なのかもよくわからないまま。みんなブログ書いてよね、ブログ。(これが言いたかった。)

 

そんなわけで数日間、ベッドにうずくまりながら(低気圧もつらかったよね)ラジオを聞いて過ごした。土曜の夜と言えば桑田佳祐やさしい夜遊びを零時まで聞いてから急いで福山雅治オールナイトニッポン魂ラジ)に切り替えて、たいてい寝落ちして最後までは聞けないのだけど……という高校時代を過ごしたものだけど、大学以降はラジオ自体からすっかり遠ざかっていた。ちなみにサザンオールスターズ応援団とBROS.(それぞれのファンクラブの名称)に入っていたそれなりにちゃんとしたファンで、代官山通信とBROS.(会報誌の名称)はいまだに本棚に眠っている。BROS.の裏表紙にはリリー・フランキーの漫画が載っているんですよ。「相葉」「櫻井」「錦戸」……等々ジャニーズの”推し♡”の名前の落書きに交じって、わたしのところだけ「福山」と書いてある当時の友人たちとのプリクラが残っていて見返すたびに笑ってしまうのだけど、今思うと平然と仲間にいれてくれてありがたいものだ。

 

さてそんな、ラジオリスナー復帰戦できいた番組たち。

 

  • The Infinite Monkey Cage 

 BBC RADIOのPodcastである。大人向け科学番組で、科学者やコメディアンが登場するのだけど、英語なので聞き取れない。しかしとりあえず知的な気分になれる。イギリス英語が好きなので尚更。テーマもUFO、だったりして聞き取れたらとても面白そう。

 

 関係ないけど、エルメスってドラマ『電車男』の”エルメスたん”で初めて存在を認識したブランドという気がする。これまた関係ないけれど、銀座メゾンエルメスの10階には映画館があって、月替りの上映は予約をすれば誰でも見に行ける。いつかルビッチの『生きるべきか死ぬべきか』が上映されたときにどうしても見たくて行ったのだけど、「なぜエルメスで映画を?」と、ちょっとした非日常だった。

さて、(個人的)流行りの岡村靖幸さんが喋っているのをはじめて聞いたのだけど、徹底的に自分のペースで話す感じが素敵、と思いました。結婚したいって本当に言ってるのかしら。

 

  • 岡村靖幸のカモンエブリバディ アンコール放送

これがとっても面白かった。斉藤和義さんがゲストの回では2人が即興で作詞・作曲、番組内で完成したものを披露、という内容だったのだけど、そんなうまい具合に互いの成分1:1な曲ができるものなのか、と驚いた。だってタイトルが『春、白濁』ですよ。実は4月に斉藤和義さんのライブに行ける予定だったのだけど、例によって延期になってしまったのでせめてこれが聞けて嬉しかった。

大貫妙子さんがゲストの回はまた後述するラジオで『都会』という曲を知ったばかりだったので楽しかった。『都会』のイメージは大貫さん、岡村さん共に新宿らしいけどなんとなくもっと寂しい、六本木とかのイメージで聞いてたな。六本木って寂しくない?夜遊びしたことないからかな。さいきんずっと聴いちゃう。

ライムスター・宇多丸さん回がいちばん面白く、なぜってわたし宇多丸さんのイメージは(何故か)クレイジーケンバンドとやっていた『肉体関係part2』がすべてだったからはじめて喋ってるの聞いたら物腰柔らかで朗らかでびっくりしたの。岡村さんが宇多丸さんにラップを習おう、という内容だったのだけど、岡村さんが繰り出す語彙にうっとりした。「ダーリン」と「ダーウィン」で韻を踏むんですよ、脳みそに入ってる辞書を取り出して読んでみたい。

 

Final Spank Happyの『エイリアンセックスフレンド』が流れていたのでオッと思ったら都会、だか東京、だかをテーマにトーフビーツさんがDJをしていたのだった。どの曲も当たり前に良かったのだけど一番ぐっときたのが坂本龍一岡村靖幸『都会』だったというわけです。ついその日暮らし、やめようかな……と思わされる。

 

知ってましたか(知ってるか)、福山雅治さんが機長なんですねいま。菊地成孔の粋な夜電波では成孔さんが交通情報のウグイス嬢と絡み、自ら天気予報を(!)読んでいたときいて興奮しちゃったのですが、例えば好きなひとと電話するとして、相手や自分の近況について話すよりもずっと天気予報とか、ニュース原稿とか読んでほしい。朗読が流行る理由もわかる……。というわけで、高校時代散々馴染んだ”ましゃ”の声が「原稿」を読んでるの最高。しかも「機長」と「乗客」というrole playingだよ。

 

 さいきん暇に任せて友人と2年前までやっていたラジオごっこを再開したのだけど(聞きたいひとは連絡してね)、昔の録音を聞いたらフロイトをdisっていて笑ってしまった。いまは寝返って、どうしてって菊地成孔さんばかりかあの伊丹十三もフロイディアンなのだ。言うまでもないけどブログカテゴリーの「トーキョー退屈日記」は『ヨーロッパ退屈日記』のパロディである。(「月刊カルチャー日記」はPOPEYEで連載されていた『橋本愛のカルチャー日記。』のパロディです。)

というわけで昔から、好きなひとたちって歳の離れた紳士ばっかりなのだけど、これってファザコンの一種なんでしょうか。フロイト先生?