パリ・ニース(+モナコ、サンレモ)旅行記 ③モン・サン・ミシェル編

day3

パリ後編……の前に、パリから離れモン・サン・ミシェルへと向かう。朝7時の集合に間に合うよう早朝に起き、電車でエッフェル塔のふもとの集合場所へ。まだ日が昇っておらず空は夜のように暗い。秋冬用のコートを着ていても寒い。思うに、暑さよりも寒さの方が身体に記憶として残りやすい。中学3年生のとき、修学旅行先が10月のカナダだった。大学生ごろまで秋口に差し掛かると、肌寒さでカナダの空気を思い出し当時からの友人とどちらからともなく「カナダ懐かしいね」と連絡を取り合ったものだった。しかしカナダの空気ももうほとんど身体から抜けてしまっていて、これは子供心を失った証拠だろうか。果たして今回のパリは私の身体にどのぐらい残り続けてくれるだろうか?秋が来るまでわからない。

ついでに、もう少し身体の感覚について話を続けると、どうも私は人見知りの代わりに場所見知りをするみたいである。街でも、建物でも、初めての場所に行くと身体に力が入ってしまってどうしようもない。これを移動によってならしていく、というのが旅の要素のひとつだなと思うのだ。"移動によって"というのが地味なポイントで、時間ではなく距離が鍵のようで、しかもタクシー、電車、バス……と手段が色々だとなお良い。地図に色を塗っていくような感覚だろうか?地球規模で考えると、今まで出不精だったぶん、今後はいろいろな国に行けたら少しは私も地球に馴染めるのかもしれない。

さて、大型バスに乗りあって西へと向かう。移動はまあまあ長く(片道4,5時間ぐらい)途中パーキングエリアに寄って休憩もするのでそれこそ修学旅行のようだ。「日本人ってなぜかモン・サン・ミッシェル好きだよね」とカナダ人の英会話講師に言われたことがあるのだが、たしかに乗客の過半数が日本語をしゃべっていた。

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パーキングエリアで買ったチーズサンドウィッチ。これがとてもおいしかった……クワトロフォルマッジのバゲット版みたいな。仮にドトールなんかでこれが売っていたら、私は日本で今の体重を維持できないと思う。

モン・サン・ミシェルは……地理的には何ていうのだろうか?陸続きの島(?)のようなところにあって、陸部分でバスを下ろされ、島部分まではさらにシャトルバスに乗って行く。シャトルバスは無料だが、これに乗るのもなかなか待たされ(より早いバスに乗れるよう、早歩きでシャトルバスまで移動するのが良いかもしれない)ただでさえ3〜4時間の自由時間、けっこうなタイムアタックである。中をじっくりみたい人はお昼をサンドウィッチなどで軽く済ませるほうがいいと思う。

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干潮。調べると潮の満ち引きのスケジュールが載っているので、満潮の姿がみたい場合は事前に調べるが吉。干潮時は干潟を歩くツアーもあるらしい。

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カモメちゃん。カモメは日本にいるのと変わらないな、と旅行中見かけるたびに親近感を抱いた。

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石造りの壁や床に差し込む光や、高い天井に反響する音を聴くとつい神聖な気持ちになる。こういう風に人の心に作用する建築物というのは日本にはなかなか無いなと思う。

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さきほどお昼は軽く……と書いたが、中を見終えてから帰りの時間ギリギリに入ったレストランで浜風に凍え、ウェイターを急かし「なんでこんな目に?」と言い合いながら食べたムール貝とクレープ・シュクレがかなりの絶品で旅行中の忘れがたいワンシーンとなったのもまた事実である。フランス来てやっと初アルコール。