E poi

もうずっと会っていないひとが夢にでてきて、夢のなかで彼は余命1年なのだ、と言っていて、わたしは夢のなかで、あの日以来連絡をとろうとしなかったことを激しく後悔していた。朝起きて夢だったことに安堵して、でも連絡をとったりはしなかった。大人になるってどんどんくだらなくなっていくことだ。すこし前に誕生日をむかえ26歳になったので、べつに言いたいこともないけど記念になんか書いておこうと思ったらさっそくこんな暗い話しちゃったわ。

「魔法使いの約束」という唯一プレイしているソーシャルゲームがあって、イケメン魔法使いが21人でてくるんだけど、フィガロっていう強くて長寿(2000才(笑))なのに子供たちの前では弱くて若者の無害な善人のふりをしているキャラクターがいるのね。本性を知っているキャラクターたちから気味悪がられたり白い目でみられたりしていて、本人も「道楽だよーん」みたいな。でも、それを「遊びや道楽じゃなくて、もっと切なるものでしょ」って指摘してくれるキャラクターもいるっていう。

菊地成孔が「ペルソナは抑圧ではなくてむしろ解放のためにある。」みたいなことを言っていたのが好きで、さいきんよく思い出す。職場の部署は4,50代2人、20代2人。という構成で、核家族の構成に似ている。この家族でわたしは人生初の末っ子役で、我儘さや生意気さ、無謀さが暗黙のうちに許されて(もしかすると要求されて)いるのが新鮮だし、柄にもなく素直でいられる。我儘さや生意気さ、無謀さはわたしのなかに濃くある、かつ無意識のうちに抑圧している性質なのかもしれない。偶然なのかもしれないし、わたしをチームに引きいれてくれたボスはぜんぶ分かっていたのかもしれない。

26歳になってはじめて観た映画はフェリーニの『8 1/2』(誕生日と数字の要素が同じ)、「人生はお祭りだ。」賛成か?イエス、アンドノー。と、数日前これを書き始めていたときは思っていたけど、やっぱりイエス。"もっと切なるもの"と言おうとしていたけど、人生はお祭りだ。人生はうわべだけのパーティーだ。どうか喧騒にまぎれてあなたのトラウマを撃ち抜いて砕き去ってしまうひとが現れますように。愛を込めて!

03 - Nino Rota - 8½ - E poi (Walzer) - YouTube